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血痕鑑定と刑事裁判 ―東北三大再審無罪事件の誤判原因―
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『血痕鑑定と刑事裁判 ―東北三大再審無罪事件の誤判原因―』
田中輝和 著

定価(本体1,900円+税) A5判、252頁
ISBN978-4-925085-54-0 C3032
(2002年8月第1刷発行) (2004年3月第2刷発行)

《目 次》
はしがき
凡 例
序 章 本書の課題と諸前提
第1章 弘前事件(その1)―白シャツの斑痕は人血か
第2章 弘前事件(その2)―白シャツ斑痕の血液型鑑定の若干の問題点
第3章 青森事件―体液(斑)血液型鑑定の証明力の限界とその限度
第4章 松山事件(その1)―再審無罪判決と国賠一審判決との事実認定の分岐点
第5章 松山事件(その2)―誤(または、虚偽)鑑定説の紹介と検討
第6章 松山事件(その3)―三木鑑定、平塚鑑定は、いつ嘱托されたか
第7章 科学的証拠の証拠能力に関する覚書―弘前事件の血液型鑑定を例として
終 章 結び

血痕鑑定、体液鑑定は、東北の三大再審無罪事件(弘前、青森、松山の各事件)に共通して問題となる誤判原因である。しかし、それらがいかなる意味で誤判原因か(血痕ねつ造か、誤鑑定かなど)は、国賠訴訟を経ても必ずしも解明されていない。この問題は刑事訴訟法学と法医学の交錯する領域にあるため、従来本格的な研究がなされてこなかった。本書は法学の側からはじめてこの問題に正面から取り組み、血痕鑑定などと捜査機関の嘱託鑑定書の問題性を深く掘り下げ、捜査機関の嘱託血痕鑑定などの証拠能力判断および証明力評価の注意則案を提言する。およそ科学的証拠の取り扱いに際して基礎になる研究であるとともに、裁判員制度が始まった一般市民にも参照の書。