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道元『正法眼蔵』現成公案 略解
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『道元『正法眼蔵』現成公案 略解』
早川祥賢 著

定価(本体2,400円+税) A5判 78頁
ISBN978-4-86163-319-5 C3015
(2019年1月刊行)

『正法眼蔵』は古来難解をもって知られている。そのあまりの難解さのため、従来の注釈の多くは「道元の言葉はそもそも論理的に理解できるものではない」という暗黙の前提に立ち、テクストの各段落をばらばらに切り離してそれぞれの段落に恣意的な解釈を行ってきた。こうした従来の解釈には道元のテクストの中に自分自身の「宗教体験」を安易に読み込んでしまっているものも多いが、言うまでもなく彼らの「体験」が道元のものと同じである保証はどこにもない。本書は『正法眼蔵』冒頭の「現成公案」巻全体をひとつの一貫したテクストととらえ、テクストの論理的構造に基づいて道元の意図を明らかにする。

《目 次》

序論 本書の企図と基本方針
  本書の提示する視点
  「現成公案」の構成
  註(序論)
本文・現代語訳・註解 諸法の仏法なる時節
  自己をはこびて万法を修証するを迷とす
  身心を挙して色を見取し、身心を挙して声を聴取するに
  仏道をならふといふは、自己をならふ也
  人、はじめて法をもとむるとき
  人、舟にのりてゆくに
  たき木、はひとなる
  人のさとりをうる、水に月のやどるがごとし
  身心に法いまだ参飽せざるには
  うを水をゆくに
  しかあるを、水をきはめ、そらをきはめてのち
  しかあるがごとく、人もし仏道を修証するに
  麻浴山宝徹禅師、あふぎをつかふちなみに
  奥書
  註(本文・現代語訳・註解)
附論 附論一 自己をはこびて万法を修証す
  附論二 万法すすみて自己を修証す
  附論三 『正法眼蔵抄』の資料的価値について
  註(附論)
解題 「現成公案」研究史
  本書の位置
  『正法眼蔵』の中の「現成公案」
  本書は道元の意図に反しているか
  註(解題)
あとがき