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楚辞「離騒」を読むー悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって
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『楚辞「離騒」を読むー悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって』
矢田尚子 著

定価(本体6,000円+税) A5判  394頁
ISBN978-4-86163-300-3 C3097
第11回東北大学出版会若手研究者出版助成採択作品
(2018年11月刊行)

『楚辞』は、中国詩歌文学の源流として『詩経』と並称される。その収録作品は伝統的に、戦国楚の屈原と結びつけて解釈されてきた。しかし「悲劇の忠臣屈原」の伝説に沿って読み、彼の偉業として称えるだけでは、『楚辞』の全体像をつかむことはできない。本書は、屈原伝説にとらわれずに作品と向き合い、一歩引いた視点から冷静に屈原伝説と『楚辞』との関係をとらえ直そうとするものである。先秦から後漢にかけて、複雑な形成過程を経て成立した作品群の集大成であることを考慮しつつ、『楚辞』に対する多方面からのアプローチを試みた。

《目 次》

第1部 楚辞「離騒」の天界遊行とその解釈をめぐって
第1章 「離騒」の天界遊行はどのように解釈されてきたか
第2章 シャーマニズム論から見た「離騒」の天界遊行解釈
第3章 楚辞「離騒」の天界遊行に見える「上下」について
第4章 楚辞「離騒」に見える「求策」についてー君臣遇合例を中心に
第5章 楚辞「離騒」の「求女」をめぐる一考察
第6章 楚辞「遠遊」と「大人賦」の天界遊行
第7章 『淮南子』に見える天界遊行表現について
第2部 悲劇の忠臣ー屈原像の形成ー
第8章 王逸『楚辞章句』以前の屈原評価
第9章 楚辞「卜居」における鄭詹尹の台詞をめぐって
第10章 笑う教示者ー楚辞「漁夫」の解釈をめぐってー
第11章 「無病の呻吟」-楚辞「七諫」以下の五作品について
第12章 孔子と屈原
終章