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ミュンスター宗教改革ー1525~34年反教権主義的騒擾、宗教改革・再洗礼派運動の全体像ー
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『ミュンスター宗教改革ー1525~34年反教権主義的騒擾、宗教改革・再洗礼派運動の全体像ー』
永本哲也 著

定価(本体6,000円+税) A5判  452頁
ISBN978-4-86163-292-1 C3022
(2018年5月刊行)

一都市の宗教改革運動は、なぜ欧州史に残る特異な事件となったのか?徹底したテクスト読解と時代背景を織り込んだ解釈から、ミュンスターで起きた再洗礼派運動を宗教改革の全体図に位置付ける。
 
1534年2月、ドイツ北西部の一都市ミュンスターは、地上に降りた新しきエルサレムと化した。神聖ローマ帝国において「異端」「反乱者」として死をもって禁じられていた再洗礼派が、ミュンスターの統治権を握ったためである。彼らは間近に迫った世界の終わりを待ちわびながら、財産共有制や一夫多妻制、預言者を頂点とする神権政を市内で導入し、16ヶ月にわたり帝国諸侯の軍隊と黙示録的な戦いを繰り広げた。
しかし、このミュンスター再洗礼派運動は、元々ありふれた都市宗教改革運動として始まった。では、ミュンスターで宗教改革を実現しようとした人々は、いかにして再洗礼派となり、市内で起こった激しい宗派間争いの末、敗北と紙一重の勝利をその手に引き寄せたのか?市内には多様な集団・社会階層に属する人々がおり、様々な動機に基づき自らの態度を決めていた。彼らの多様な思惑と行動が、複雑にもつれ、絡まりあいながら、ミュンスターの宗教改革運動を思わぬ方向へと導いた。本書は、集団や階層、動機、合意形成という三つの枠組みに整理して、その複雑な過程の全体像を描こうとする一つの試みである。
 
 
本書の「はじめに」「課題と方法」「あとがき(公開用)」をご覧いただけます
《目 次》
1章 はじめに
1 特異な事件
2 異端、反乱者、悪魔
3 時代区分
4 宗教改革の統一性と多様性
 
2章 課題と方法
1 都市宗教改革研究の課題
2 ミュンスター宗教改革・再洗礼派運動研究の課題
3 分析方法
4 史料
5 用語
6 ミュンスター市の統治制度の基本的特徴
 
3章 1525 年の反教権主義的騒擾
1 事件の経過
 1.1 修道院に対する反教権主義的示威行動
 1.2 ギルドによる市参事会への抗議と要求
 1.3 市民要求の実行
 1.4 市民要求をめぐる市参事会と司教との交渉
2 市内諸勢力の主張と行動、運動の全体像
 2.1 市内諸勢力の主張と行動
 2.2 運動の全体像
 
4章 1530-33 年の宗教改革運動
1 事件の経過
 1.1 宗教改革運動の拡大
 1.2 全ギルド会議での議論と市民委員会結成
 1.3 全ギルド会議と市参事会の交渉と協定締結
 1.4 市内での宗教改革実行と市外諸勢力との交渉
2 市内諸勢力の主張と行動、運動の全体像
 2.1 市内諸勢力の主張と行動
 2.2 運動の全体像
 
5章 1533-34 年の宗派分裂と再洗礼派運動
1 事件の経過
 1.1 宗教改革の制度化
 1.2 二つのサクラメントをめぐる市内での宗派対立
 1.3 市内での三宗派対立の激化
 1.4 再洗礼派共同体の成立と再洗礼派統治の始まり
2 再洗礼派の社会階層
 2.1 分析方法
 2.2 再洗礼派の社会階層
3 市内諸勢力の主張と行動、運動の全体像
 3.1 市内諸勢力の主張と行動
 3.2 運動の全体像
 
6章 ミュンスターにおける社会運動の全体像 ~通時的分析~
1 市内諸勢力の主張と行動
 1.1 市参事会の主張と行動
 1.2 全ギルド会議の主張と行動
 1.3 ゲマインハイトの主張と行動
 1.4 ギルドの主張と行動
 1.5 市区・教区民の主張と行動
 1.6 門閥市民の主張と行動
 1.7 二流の名望家の主張と行動
 1.8 市民の主張と行動
 1.9 アインヴォーナー男性の主張と行動
 1.10 女性の主張と行動
2. 運動の全体像
 2.1 運動参加者の属性
 2.2 運動参加者の動機
 2.3 合意形成
 
7章 おわりに
1 時間的な位置づけ 393
 1.1 中世後期から近世にかけての連続性と変化
 1.2 宗教改革運動における1525-34 年
2 多様な宗教改革の中の位置づけ
 2.1 特異とは言えない都市宗教改革運動
 2.2 ミュンスター宗教改革の特異性の原因
3 宗教改革の複雑さ
 
略年表
参考文献
あとがき
索引