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日本語文学を読む
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『日本語文学を読む』
李 郁蕙 著

定価(本体3,000円+税) A5判  270頁
ISBN978-4-86163-236-5 C3091
(第9回(2012年)東北大学出版会 若手研究者出版助成刊行書籍)
(2014年2月刊行)

  本書は、日本語文学と台湾文学それぞれの角度から、植民地統治に関わる作品の読み方を提示するものである。第一部は台湾や朝鮮半島、満州、南洋を舞台に日本語で書かれた文学作品を日本語文学として捉え、日本人作家と現地人作家の表現上の異同を比較し、そこに垣間見える意識の解明を試みる。第二部は対象を台湾に絞り、戦前から現代にかけての日本語作品を台湾文学として読み解くことで、文学により表現される周縁・中心の実像を浮き彫りにする。同質性と異質性がつくりだす「日本語イデオロギー」の分析をとおし、日本文学の「外枠」を問う研究成果の集成である。

第一部 「日本語文学」として
 第一章 「日本語文学」とは何か
 第二章 日本語の越境と変容
 第三章 日本語の占有とその壁
 第四章 「日本語人」の群像
 第五章 表現の接点
第二部 「台湾文学」として
 第六章 戦前‥重層化する力学
 第七章 戦中‥拡大する周縁
 第八章 戦後‥消え去る中心
 第九章 現代Ⅰ‥よみがえる日本文化
 第十章 現代Ⅱ‥語り継がれる「日本精神」