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書籍情報


つながりの文化人類学
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『つながりの文化人類学』
髙谷紀夫、沼崎一郎 編

定価(本体5,000円+税) A5判
ISBN978-4-86163-179-5 C3039
340頁
(2012年2月刊行)

 本書は、欧米人類学の親族理論や社会ネットワーク理論、日本における様々な「縁」の人類学的研究が提起する諸問題を受け止めつつ、漢族社会、沖縄、ルーマニアの親族、ラオスの出産、モロッコ移民や在日韓国女性のネットワーク、ナイジェリア・イボ社会の「伝統的」王やアラスカ先住民ユッピックの「伝統的」ダンスなどをテーマとして、人々は、何に「つながり」を見出し、どのように「つながり」を生きているかをエミックに描くことで、「つながりの文化」の多様性と可変性の民族誌を提供し、「つながり」の比較文化研究を展望する。

《目 次》

序 章 髙谷紀夫 沼崎一郎

第一章 械闘未遂事件にみる親族の「つながり」の現在
−広東省珠江デルタの一村落の事例から— 川口幸大

第二章 台湾漢族の葬式通知にみる女性の位置づけとその変遷
−父系社会の再考— 上水流久彦

第三章 兄弟のつながりから地域社会のまとまりへ
−近代沖縄における移住者の社会形成— 玉城 毅

第四章 現代ルーマニア農村における家族のつながり
−家畜飼育の現場から— 杉本 敦

第五章 北ラオス村落社会における出産と養い
−親子のつながりの持続と変容— 吉田香世子

第六章 移民家族の定住過程における社会関係(つながり)
−在日コリアン一世の女性たちライフヒストリーから— 二階堂裕子

第七章 うわさのコントロールによる在仏モロッコ移民と出身地との国境を越えた社会関係(つながり)の変容と持続  渋谷 努

第八章 ナイジェリア・イボ社会における移民組織と王制
−王位を媒体とした《つながり》の構築と断絶— 松本尚之

第九章 伝統ダンス進展期における先住民と文化の関係−ユッピング・ダンスがつなぐ社会関係について— 久保田亮