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トマス・アクィナスにおける神の似像論
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『トマス・アクィナスにおける神の似像論』
三谷鳩子 著

定価(本体2,800円+税) A5判 226頁
ISBN978-4-86163-273-0 C3010

(2016年12月刊行)

『創世記』では人間が「神の似像」として造られたと言う。またアウグスティヌスは、人間精神の中の「記憶・知解・意志」が神の三位一体構造を形成し、それが「神の似像」であると述べている。しかしトマスは、アリストテレスの霊魂論をもってそれらを分析し、その中から「記憶」を削除した。さらにトマスは、人間が「言葉と愛」を発することが三位一体の神の「言と愛の発出」を写し出す「似像」として動的に捉えた。人間は「神の似像」として造られ、神の恩寵を得てそれを完成させ、最終的には全き「似像」として神に戻って行く存在である、と筆者は考えた。
 
《目次》
序 章
第1章 トマスの『命題集註解』における「似像」の定義
第2章 トマスの『真理論』における神の似像
第3章 言葉と愛の発出の根源
第4章 トマスの『神学大全』における「似像」の定義
第5章 自己認識の問題
第6章 トマスの恩寵論における「ハビトゥス」概念